<耳鼻咽喉科>頭頸部癌の一般的な治療方針

頭頸部癌に対する3つの主となる治療法

頭頸部癌の特徴として約80~90%が扁平上皮癌であることが挙げられる。そのため放射線治療の併用が極めて有効である。
治療は、TMN分類による進行度に応じて放射線治療や手術や化学療法を組み合わせた複合的な治療を行っていく。また場合に応じて分子標的薬を選択することもある。

頭頸部癌の治療はできるだけ手術を避けたい

頭頸部癌は病変の場所の特殊性より、手術を行うと嚥下や構音・発生など様々な機能障害が予想される。
そのため、根治可能例では手術を回避して、放射線化学同時併用療法が行なわれることが多い。しかし、放射線治療においても照射線量が多くなると放射線障害が起こりQOLが低下することがあり、治療には注意が必要。
化学療法の投与方法には超選択的動注化学療法や全身化学療法(経口/経静脈)がある。超選択的動注化学療法では癌の栄養血管に直接抗癌剤を流し込むため、非常に効率的である。
ただし、抗癌剤では骨髄抑制や消化器障害、腎毒性、聴器毒性、脱毛などの副作用が生じることがある。

手術を選択した場合は?

手術を選択した場合、手術により上述の機能障害が予想されることに加えて、頭頸部は外見上も目立つ部位であるため美容的側面にも十分に配慮が必要であり、術後の再建手術も考慮に入れておく。再建手術では、移植組織の生着不全による壊死に陥る状況も念頭に置いて、トラブルが生じた際の救済方法を事前に検討しておく必要がある。

分子標的薬はメリットもデメリットも大きい

2012年より頭頸部領域においても分子標的薬に使用が可能となった。分子標的薬は比較的癌細胞に特異的に作用し腫瘍選択性が高く、長期間にわたる病勢の安定や劇的な臨床効果を示す症例がある。
一方で、化学療法薬とは異なる有害反応が多く、特に分子標的薬が原因で間質性肺炎をきたした場合、死に至ることもあり、注意が必要。
現在、一部の薬剤では効果が期待できる症例を選別可能な場合がある。

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