解答・解説
アレルギー性鼻炎は鼻粘膜におけるⅠ型アレルギー疾患である。アレルギー性鼻炎ではTh2優位となり、Th2由来のサイトカインによって分化が誘導された形質細胞がIgE抗体を分泌してマスト細胞表面に結合する。そこに抗原が結合することによってヒスタミンなどの顆粒メディエーターやロイトコリエンなどの脂質メディエーターが分泌されてくしゃみ、鼻水、鼻閉が誘発される。また、抗原抗体複合体の処理のためにTh2由来のIL-5によって好酸球が誘導されるが、その好中球によって鼻閉が増強されることがあり、これをⅠ型アレルギーの遅発反応という。
以上のことから、アレルギー性鼻炎の診断は鼻内所見と免疫反応検査が主体となる。診断に用いられる免疫反応検査は以下の通り。
- 鼻汁中好酸球検査:鼻汁中の好酸球増多の有無によってアレルギー性かどうか調べる検査。
- 血性総IgE検査:アレルギー性でも正常値を示すことがあるが、上昇していればアレルギー性であると分かる。上昇例では治療効果の判定に用いられる。
- 皮膚反応テスト:アレルギー性鼻炎を起こし得る物質を同定することができる。ただし、皮内テストではアナフィラキシーの危険を伴う。
- 抗原特異的IgE抗体濃度測定:アレルギー性鼻炎を起こし得る物質を同定することができる。
- 鼻粘膜誘発検査:抗原エキスをしみこませた濾紙を鼻内に注入することで、アレルギー性鼻炎を起こす物質を同定できる。ただし、アナフィラキシーの危険を伴う。
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