<組織細胞生物学各論>組織細胞生物学ー下垂体後葉ホルモンと松果体ホルモンー

下垂体後葉ホルモンの種類

下垂体後葉ホルモンにはADHとオキシトシンがある。

ADH

ADHは視床下部の視索上核にいる細胞体が下垂体の後葉に軸索を伸ばしそこで開口することで分泌されるホルモンである。ADHは水の再吸収に必要なホルモンで、腎臓の集合管に作用して水のトランスポーターであるアクアポリン2を細胞膜に移動させて水を再吸収する。
ADHを分泌するする視床下部―下垂体系に異常があると、ADHがしっかりと分泌されないため水の再吸収が行われず多量の低張尿が排出される。これを中枢性尿崩症という。一方、ADHがしっかりと分泌されていても、それを受け取るADH受容体遺伝子異常やアクアポリン2の遺伝子異常があると、同様に水の再吸収が行われず多量の低張尿が排出される。これを腎性尿崩症という。

オキシトシン

オキシトシンは視床下部の室傍核にいる細胞体が下垂体の後葉に軸索を伸ばしそこで開口することで分泌されるホルモンのことである。オキシトシンの作用は射乳と出産時の子宮筋層の収縮である。

松果体ホルモン:メラトニン

松果体の松果体細胞はアミノ酸のトリプトファンから最終的にメラトニンを生成し分泌することサーカディアンリズムをコントロールしている。メラトニンは明暗周期に反応し、暗いときに分泌され、睡眠を促す。
サーカディアンリズムを決定している最高中枢は視床下部の(視交叉上核)である。
松果体には松果体細胞の他にアストロサイトに似たグリア系の細胞も存在している。
松果体は歳を取ると石灰化し脳砂が出現する。これは好塩基性の細胞外小体で、X線検査によって正中線の目印となる。これが正中線からずれると、何らかの病気が疑われる。

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