解答
高エネルギー外傷とは
高エネルギー外傷とは高エネルギー事故により引き起こされる外傷のことで、外見上何の変化が無くても胸腔内出血や腹腔出血など重大な事が起こっている可能性が高い。高エネルギー外傷に対して何の検査も行わず放置すると、PTD(救えたはずの命)の原因となる。実際に、外傷死の約10%がPTDであるといわれており、PTDの約60%は失血死である。そのため、高エネルギー外傷の患者と遭遇したら、高次の救急医療が可能な施設に連れていき、生理学的アプローチ、全身検索などを行うことがとても大切である。
高エネルギー外傷の原因
高エネルギー外傷を引き起こすような事故の例を下に列挙する。
- 6m以上の高さからの転落事故
- 車両にはねられた歩行者・自転車事故
- 搭乗者が飛ばされたバイク事故
- 同乗者が即死した車両事故
- 車外に放り出された車両事故
- 搭乗空間の高度な変形があった車両事故
- 救出に20分以上を要した車両事故
- 横転した車両事故
- 体感を重圧で挟まれた外傷
- 頚部から鼠径部までの鋭的損傷
PTDをなくすために
PTDをなくすために、直ちに処置すべき病態とその対処法を以下にまとめる。
- 気道閉塞:気道確保、酸素化
- 緊張性気胸:胸腔穿刺減圧
- 外傷性心タンポナーデ:心嚢穿刺
- 活動性出血:止血術
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